10/7(Fri) |
今回の旅行は、ワールドインベスターズのスマイリーさんが中国の蘇州に赴任しているというので、彼のところに遊びに行くことにした。
航空券は9月の香港・ギリシャ・ドイツ旅行の最後で使った中国東方航空の復路部分と、年末年始の旅行に向けて香港発券したチャイナ・エアラインの組み合わせである。
そして、彼のいる蘇州は上海から中国高速铁路(CRH/China Railway High-speed)でわずか30分、もちろん上海の浦東空港(Shanghai Pudong International Airport)から直行バス(长途客运)もあるのだが、スマイリーさん曰く、7日は中国本土の国慶節(Guo Qing Jie)の連休の最終日で、事前予約なしではどちらも乗れないかもしれないとのことだった。
そこで私は、事前予約可能な中国高速铁路(CRH/China Railway High-speed)を現地旅行社を通じて取ることにした。
ほとんどの旅行社が列車のチケットは上海のホテルへのデリバリーという中で、エクスプロア中国トラベル(上海实华国际旅行社)は空港へのデリバリーも可能とあったので、この旅行社でさっそく手配、問題は飛行機の遅延と、上海市内の渋滞、これらのリスクを見込んで新幹線のチケットは空港到着後3時間後のものを頼む。
チケット代金は、1等でも60元(720円)とリーズナブルだったので、私は迷わず1等をリクエストした。
懸念された中国東方航空のフライトは30分遅れで上海の浦東空港(Shanghai Pudong International Airport)に到着した。
両替を済ませて到着ロビーに行くと、新幹線のチケットを持ったスタッフはすでに待機していて、タクシーで駅まで行くように指示された。
当初は、リニアモーターカー(上海磁浮列车/Shanghai Maglev Train)と、地下鉄(上海地铁/Shanghai Metro)を乗り継いで行く予定にしていたのだが、それだと乗り換えが2回もあり、間に合わないと指摘されたため、彼の言うことに従うことにした。
結局、浦東空港から上海駅までタクシー(187元=2,240円)で1時間、駅に着いたのが3時過ぎだった。
駅の構内には1等チケット所有者向けの待合室(VIP休闲服务区)があったのだが、それを使うほどの時間的余裕はなかったので、売店で飲み物だけ買って列車に乗り込むことにした。
車内は1等車にもかかわらず、ほとんど空席がなく、中国の経済力がまた一段と上がっていることが実感できる。
しかも、通路を隔てた隣席の中国人カップルは普通に英語を話すなど、このままいけば数年後、上海は香港並に旅行しやすくなるのではないかとも思えた。
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上海駅(上海站/Shanghai Railway Station) | |
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中国高速铁路(CRH/China Railway High-speed) | バイクタクシー(摩托车出租车/Motorcycle Taxi) |
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ホテル・ソウル(苏哥利酒店/Hotel Soul) |
蘇州に到着し、観光案内所で地図をもらおうとしたが、英語版はないとのこと。
それでもスタッフと英語で意思疎通ができたことに中国の観光情勢の変化を感じる。
ただ、それも一瞬のことで、駅構内で蘇州1日観光の勧誘をしてくる業者は概ね中国語しか話せず、ホテルへ向かうバイクタクシー(25元=300円)から見えた街中の旅行会社も漢字の看板だらけで、中国語が話せない私にはハードルが高そうに感じた。
おそらく、これは日本に来る外国人も感じそうな光景で、欧州や東南アジアで見られる*** TRAVELと書かれた看板が、いかに外国人観光客を容易に引き寄せるか如実にわかるものであった。
ちなみに、私がバイクタクシーに乗ったのも値段を英語で聞いて答えが返ってきたからで、単にこれだけのやりとりで外国人のお客を掴めるか否かが違ってくることを、構造不況で苦しむ日本のタクシードライバーにも知って欲しいと思う。
ワールドインベスターズのスマイリーさんとオフ会 | ||||
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王四酒家(Wangsi Restaurant) | 山塘街(Shantang Street) | |||
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山塘街(Shantang Street) | 准海街(Zhunhai Street) |
夜の7時、国慶節(Guo Qing Jie)の祝日にもかかわらず、仕事だったというスマイリーさんと合流し、観前街(观前街/Guanqian Street)にある王四酒家(Wangsi
Restaurant)という中華料理屋へと向かう。
彼曰く、ここは蘇州でも老舗のレストランということだが、意外にも店内はガラガラであった。
さすがに中国語に堪能な彼と一緒だと注文もスムーズ、ホテルのフロント以外ではほとんど英語が通じない蘇州ではまだまだ私1人で旅行するにはハードルが高い。
食事が終わると、夜景の綺麗な山塘街(Shantang Street)へ行ってみる。
ここは運河に囲まれた旧市街、ライトアップされた街の中を多くの人が散策している。
幻想的な雰囲気もあり、夜に訪れるとなかなかいい感じの街だ。
最後は日本人駐在員御用達の准海街(Zhunhai Street)、ここだけは日本語が通じる一角で、通りのバー街も日本語の看板が多い。
私たちが行ったのは、その中にあるPandora Club、もちろん、お姉さん方は日本語が話せるので、ほとんど日本にいるのと変わらない。
本当はそれに甘んじていないで、中国語会話の一つでも教えてもらえばいいのだろうが、なかなかそこまで至らない。
一方、カラオケで中国語の歌を熱唱するスマイリーさんを見て、ここまで言葉ができると中国滞在も楽しいだろうな、と思った私であった。
10/8(Sat) |
今日はスマイリーさんのお勧めで、文文(Wenwen)さんというPandora Clubのお姉さんと蘇州を観光することになっている。
ただ彼女は昼からしか合流できないというので、午前中は1人で町歩きを楽しむことにした。
当初の予定ではこの日は、現地ツアーに参加しようかとも思っていたのだが、町中には英語や日本語の通じそうな旅行会社は見当たらないし、ホテルで聞いたときも英語のツアーはないと言われたのだ。
このあたりが、中国の不便なところで、今の時点では上海からの日帰りツアーにでも参加しないと、中国語ができない外国人にとっては厳しいが、蘇州に泊まりたいという人は、蘇州有情から好みの観光ツアーを申し込んでおくといい。
実のところ私もそうしようかと思っていたのだが、最小催行人数がいずれも2名で、1人参加だと割高になりそうだったのでやめたのだ。
観前街(观前街/Guanqian Street) | |
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そして、当日、まず最初に向かったのはホテルのそばにある玄妙観(玄妙观/Xuanmiao Temple)だ。
ここは蘇州の目抜き通りである観前街(观前街/Guanqian Street)に面して建つ道教寺院で、境内には多くの参拝客がいる。
その寺院内の三清殿に鎮座する青銅製の独角神牛の像は、金運を招くと言われ、参拝客が次々にそれを撫で回しているのが印象的だった。
ちなみに、この像は2008年11月13日に台湾から贈られたもので、蘇州市民の生活の安定と幸福、“牛の勢い天を突く”ような経済上昇を祈願する意味が込められているという。
私も彼らの真似をして神牛を撫でてみたが、果たして投資のパフォーマンスは向上するだろうか。
玄妙観(玄妙观/Xuanmiao Temple) | ||||
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玄妙観(玄妙观/Xuanmiao Temple)を見終わった後は歩いて獅子林(狮子林/Lion Forest Garden)へ向かう。
途中には中国語で1日観光と書かれた看板を掲げた業者が路上で営業していて、その中の何人かが私に声をかけてきた。
中国語がわからない私でも何となく彼らの言っていることはわかったが、彼らを雇って観光地巡りをしても意思疎通が困難なのでやめておいた。
それに午後になれば、日本語がある程度話せる文文(Wenwen)さんと合流できるので、あえて彼らを雇う必要もなかった。
獅子林(狮子林/Lion Forest Garden)は、蘇州の四大名園の一つ、太湖石で埋め尽くされた奇岩庭園として知られ、その石の形が獅子に似ていることから名付けられたという。
中はちょっとした迷路みたいな感じになっているので、見学するのに思ったよりも時間がかかる。
そのような中、私は階段を上り下りするのが面倒になり、途中でショートカットしようと飛び降りたときに足を挫いてしまった。
しばらく激痛が走り、ヤバイなと思ったものの、何とか歩けたので、そのまま観光を続行することにした。
獅子林(狮子林/Lion Forest Garden)で文文(Wenwen)さんと合流した私はタクシーで留園(留园/Lingering Garden)へ向かった。
無理すれば歩けない距離ではないが、足を挫いていたのと、タクシー代はわずか10元(120円)だというので、止めた車にそのまま乗ることにした。
ここは、清代の建築造園様式で造られているいて、広大な池の周囲を回廊が結んでいる。
さすがに中国有数の名園と言われるだけあって風情がある庭園はなかなかのものである。
観光の最後はピサのように斜塔が特徴的な虎丘(Tiger Hill)である。
ピサの方は世界的に有名なのでたくさんの観光客で溢れているが、蘇州の方はひっそりとしている。
それでも観光名所の一つになっているので、見学コースもそれなりに整備もされている。
私が一番驚いたのは公衆トイレ、とても中国とは思えないほど綺麗で、トイレから出てきたところにはベンチも用意された待合室となっている。
今回の蘇州観光での一番の収穫はトイレというのは、それゆけ個人旅同好会の伝統(!?)とも言えるか(笑)
いずれにせよ、やればできるじゃないか中国!って感じで虎丘(Tiger Hill)を後にしたのだった。
そして、虎丘(Tiger Hill)を離れた時間がちょうど夕方、文文(Wenwen)さん曰く、今や中国人の中流階級はバスになど乗らないで、すぐにタクシーに乗ってしまうので、現地の人でさえ、タクシーに乗るまでに相当待たされることがあると言う。
従って、ここで登場するのが白タク、現地在住の彼女が一緒にいたからこそ交渉も可能だったが、私が1人でいたらいつまでも来ないタクシーを待つか、痛めた足をひきずってホテルに帰るハメになるところだった。
その後、彼女とはマッサージ屋、そして夕食をご一緒したが、慣れないのは中国人同士の会話、何か怒っているように興奮して話す感じについていけないのだが、彼女曰く、怒っているわけではないそうだ。
そう言われても、はるか後方でお客が大声で話しているのが聞えてくると、何事かと気になる。
食事くらい静かな環境でさせてくれよと、言いたい庶民の食堂風景だった。
10/9(Sun) |
ホテル・ソウル(苏哥利酒店/Hotel Soul)をチェックアウトし、蘇州の駅へ向かう。
一見すると何でもないことだが、蘇州ではタクシーを捉まえるのが困難な時間帯があって、ホテルのフロントでさえ、大通りで拾ってくれと言われることがある。
ちょうど私がホテルを出た7時頃がまさにそうで、タクシーを拾える雰囲気は全くなかった。
そこで、登場したのが1人の老人、観前街(观前街/Guanqian Street)の角地で何やら言ってきたので、聞いてみると人力車に乗れという誘いのようだった。
30元(360円)で駅まで行ってくれると言うが、私が心配したのは彼の痩せ細った体、これに乗っていいのだろうか、と思ったが、乗らなければ列車に間に合わないかもしれないので、意を決して乗ることにした。
さすがに平坦な道は大丈夫だが、上り坂は明らかにきつそう、それでも足を痛めている私ができることは大してなかった。
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蘇州駅(苏州站/Suzhou Station) | 中国高速铁路(CRH/China Railway High-speed) |
人力車を必死に漕いでくれた爺さんのおかげで、無事に列車に乗れた私、心の中で彼に感謝である。
往路と同じ1等車での快適な旅路はわずか30分で終わり、到着が虹桥(Hongqiao)駅なので、ここから浦东(Shanghai Pudong International Airport)まで移動しなければならない。
おまけに列車の駅から空港へ行くバス乗り場までかなり離れているばかりか、案内がわかりずらく、ようやく辿り着いたときは、先発のバスが行ったばかり、次のバスは9時25分発と知って、私はタクシーで移動することにした。
こんなことなら最初からタクシーにすれば良かったと思ったが、行き先を告げるときの空港(机场=jichang)という中国語が出てこない。
ドライバーの口ぶりからすると、浦东(Pudong)は空港以外にもあるような雰囲気だが、私が外国人であることや、パスポートを見せてairportと言っているのだからわかりそうなものだが、かなり鈍感なドライバーだ。
間違って変なところへ行かれたら困るので、かなりあせったが、上海でこれでは、中国個人旅行などまだまだだな、と思った。
それでもタクシーの車内に、日本語と英語で「運転手と言葉が通じなかったら、相談無料の上海コールセンター962288までお電話ください。(If you
have any problems communicating with taxi drivers, you may call the Shanghai
Call Center at 962288 for free assistance.)」と書かれている分だけ日本よりマシとも言えそうだ。
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シャムロック・ホテル(新樂酒店/Shamrock Hotel) |
懸念された上海の空港の混雑もなく、無事に香港へ着いた私だったが、蘇州で痛めた足は引きずって歩かなければならないほど悪化していた。
香港のホテルは、先月の香港・ギリシャ・ドイツ旅行の途上、アテネのエレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港(Athens International Airport Eleftherios Venizelos)のブックショップで買ったEyewitness Travel Top 10 Hong Kongに掲載されていたお勧めホテルから選んだ。
場所は、彌敦道(Nathan Road)沿い、空港からのバスA21のバス停、それに、MTRの佐敦(Jordan)にも近く、室内にはバスタブやセーフティボックスもあり、部屋もそこそこ広いと、超お勧めの部類に入るだろう。
おかげでほとんど歩かずに済み、今回は大助かりであった。
夜はあらかじめ連絡してあったmixi仲間の大くーにゃんさん、そして斉藤さんご一家とオフ会、最近は香港へ寄ると言っても単に食事をしに行くだけになってしまっているので、せっかく買った英文ガイドブックを生かす機会を設けたいところだ。
結局のところ、今回も香港へは移動のために来たようなもの、こんなことなら単純に蘇州を往復するだけの方が安くないか、と思える今日この頃であった。
夕食を取ったレストランからホテルへ戻るとき、足を引きずるように歩いていた私に大くーにゃんさんが杖を貸してくれたので助かった。
ここであらためてお礼を言っておきます。
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聖アンドリュース教会(聖安德烈堂/St. Andrew's Church Kowloon) |
10/10(Mon) |
日本への帰国の日、杖など生まれて初めてついた私、ケガをしているときは大いに役立つものだな、と妙に感心しながらホテルから空港へと向かう。
何しろ杖をついているとバスの車中でも皆が席を譲ってくれるし、空港では車椅子を貸してくれて、出国審査も搭乗も最優先扱いである。
まあ、今日くらいはいいかと恐縮しながらも記念写真(!?)だけはしっかりと撮ってもらっている私、まるで懲りていない。
ちなみに、私が泊まったホテルの近くには、日本人通訳常駐の総合クリニック、パシフィチェック(醫薈體檢坊/Pacifi Check)があったらしいが、フライトの時間が11時なので、とても病院へ行っている時間はなく、そのまま日本へ帰国することにした。
それにしても、こんなことになるとは思ってもいなかった・・・
転ばぬ先の杖、これを機会に日本語の通じる海外の病院検索をブックマークしよう。